習慣を身に付けよう
佐々木典士さんの「ぼくたちは習慣で、できている(略称:ぼく習)」を読了しました。
前作の「ぼくたちに、もうモノは必要ない(略称:ぼくモノ)」は、モノを減らし始めていた僕にミニマリスト的思考を覚醒させてくれたバイブルでしたが、新作の「ぼく習」も現在の僕が目指している生活スタイルの助けになることがいくつか書かれていましたので、メモっていきたいと思います。
①行為を細分化しよう<チャンクダウン>
これは厳密に言うと「ぼく習」で初めて知ったわけではなく、佐々木典士さんと沼畑直樹さんお二人で運営されているブログ「Minimal&ism」の記事で初めて知ったのですが、本当に使えますよ。
要は何かやるのにハードルが高い行為は、一旦その行為を達成するという大きな目標は忘れて、その目標を達成するために必要な小さな1歩1歩の行為に着目していこうという話です。
佐々木さんは早起きを例に挙げて下さっていて、
早起きするためにはただ体を起こすという行為に着目するのではなく、下記のように
一つ一つの動作に意識を向けていきます。
□まず目だけ開ける(体はそのまま寝ていていい)
□その状態になじんできたら半分だけ布団をはぐ
□その状態にもなじんできたらさらにもう半分
□ベッドから外に一歩足を踏み出す
この中の「まず目だけ開ける」というのが特に効果てきめんです。
目を開けて天井を見ているとぼやけた視界が澄んでいくのがわかります。
目を閉じながら、体を起こしていくよりも、先に目を開いちゃった方が
とりあえず起きようモードに切り替えやすく、二度寝しづらいです(笑)
僕は上記の行為にさらに、いろんな書籍からかっぽじってきた早起きライフハックを加えて、次のような手順で起きています。
- 仰向けのまま目を開けて、天井を見る
- 視界が晴れてきて起きようモードに切り替わったら、右に左に体をゴロゴロ動いて脳だけでなく体の筋肉の方も起きようモードにする(背伸び等をすることもあり)
- 布団をはぐ
- うつむけ状態になり、そこから土下座の体勢に移り、体を起き上がらせていく
- 起きたらトイレ等に行くようにし、とりあえず布団から離れる行為をする
- できるだけ早く布団は畳む
これでまあ、成功率100%というわけではないですが(笑)、確実に早起きしやすくなったと感じています。
早起き以外に活用した例だと、筋トレにも活用しています。
普通筋トレをしようと考えると、腕立て30回、スクワット30回、腹筋30回を毎日しようとか考えますよね。でもそれって長続きしないですよね。疲れていたり、時間がなかったりすると自分に言い訳を作ってさぼってしまうんですよ。
そこで、僕は回数を目標1回ずつにすることにしました。1回なら疲れていても時間がなかったとしても、やろうという意志さえあれば必ずできますよね。
それでもついさぼってしまうことはあるのですが…(;^ω^)
これは行為の細分化というよりかは目標の細分化ですかね。
佐々木さんの言葉を借りると「目標はバカバカしいほど小さくする」
これが継続のコツ、習慣化のコツだそうです。
②自由時間は多すぎない方が幸せ
自由時間が多すぎるとまだ大丈夫、まだ大丈夫という意識が働いてしまってやりたいと思っていることもついつい先延ばしにしてしまいがちです。
僕は趣味で絵を描いていて、毎日好きなだけ絵を描ける生活ができたら幸せだろうなと心から思います。でも、実際にそうなったら僕はさぼりまくってしまって、むしろ描かなくなってしまうだろうなと思います。実際にそうなったらというか、実際にそうだったことがあるので…
僕は大学在学中、2年ほど休学していました(その後中退しています)。休学してしまった理由は人間関係や将来に対する無力感、単純に勉強が面白く感じられなっていた、バイトが忙しかった等様々な理由が重なったためだったのですが、とりあえずの建前として「漫画家」になりたいということを言っていました。
でも、それは本当に建前でしかなくて、実際はただ上記のようないろんなことが重なって大学に行きづらくなったというだけだったんだと今となっては思います。
ここらへんの話はまた別の機会に書きたいと思いますが、とりあえず休学したことで時間だけはたっぷりありました。本当にクズでしょうがなかったのですが、親からも家賃を払っていただいてもらい、その上おこづかいを5万円ほどもらい、そして自分でもバイトはしていましたので、遊べるだけのお金もありました。
ここでギャンブルやお酒、タバコ等にハマらなかったのは不幸中の幸いでしたが、カメラ、ロードバイクにハマってしまい、当時京都に住んでいたので、あちこちをめぐって楽しんでいました。漫画を描く時間はものすごくあったのに、イラストはちょこちょこと描いてはいましたが、2年間で一つも漫画の原稿を完成させることはついにありませんでした。
自由すぎるというのも考えものなのです。
僕の敬愛するかの手塚治虫先生も
「締め切りなしの作業なら、
思い切り楽しい仕事になるだろうが、
おそらく全く進行しないに違いない」
という言葉を残しています。
凡人の僕にはお尻を叩いて発破をかけてくれる「締め切り様」が必要なのです。
ただ、自由時間がなさすぎるのが現在の日本の会社員ですので、そこは是正していってほしいものです。
③幸福の財布には穴があいている
佐々木さんは前作「ぼくモノ」を書き上げ、大ヒットを飛ばしました。20か国語以上に翻訳されて、日本だけでなく海外のメディアにも取り上げられたそうです。
そんな大成功を成し遂げた佐々木さんでもその状況には人は慣れてしまい、成し遂げたことも自分の中ではただの参照点になっていくのだそうです。そして、次に何かを達成していき、成長していかないと人は自己肯定感を得られることができずに、自分を苛んでしまうのだそうです。
前作の「ぼくモノ」でも、このような話が書いてありました。
心理学者タル・ベン・シャハーが16歳でスカッシュのイスラエルチャンピオンになった時、優勝の祝賀会の3時間後には長年の夢が叶った幸せがすでに消え去っていたことに気づいたそうです。
どんな偉業を達成した人でもきっと同じなんでしょう。
幸せになるには毎日成長していくしかないんでしょうね、きっと。
「医龍」で、主人公の外科医の朝田龍太郎の言ったこの一言が思い出されます。
「腕ってやつは、上がってると感じてなきゃダメなんだよ。
維持してると思ってんなら、落ち始めてるってことだ。」
© Taro Nogizaka・Akira Nagai / 小学館
他にも「ぼく習」の中にはいろいろささった箇所はあり、習慣の力が地味ではあるけれど、絶大であることを改めて思い知らされました。